「気になる中古物件の持ち主は誰か」「実家の登記はどうなっているか」。これらは法務局へ出向かなくても、自宅のパソコンから確認できます。本記事は登記情報提供サービス(一般財団法人民事法務協会)と法務省の公式情報をもとに、「見るだけ」で足りる場面と「証明書が要る」場面の線引き、料金、北大阪での地番の調べ方を整理しました。

結論を先に書きます。所有者や抵当権を自分で確認したいだけなら、登記情報提供サービスの一時利用で所有者事項140円・全部事項330円を当日中に画面で見れば済みます。役所や金融機関へ出す書類として求められるのは証明文付きの登記事項証明書で、こちらは別のシステムからオンライン請求します。この二段構えを知っておくと出費と往復を減らせます。

「見るだけ」と「証明書」の違い

登記情報提供サービスは、登記所が保有する登記情報をインターネットを使ってパソコン等の画面上で確認できる有料サービスです(民事法務協会)。登記情報はPDFファイルで提供され、請求した時点の情報がリアルタイムで表示・保存できます。

ただし、ここに決定的な但し書きがあります。公式の説明では「登記事項証明書と異なり、証明文や公印等は付加されません」とされています(民事法務協会)。つまり内容は同じ登記記録でも、第三者に「これが登記です」と証明する力はありません。

一方の登記事項証明書は、登記所が証明文を付けて交付する書面です。法務省の案内では、オンラインで交付を請求し、登記所の窓口で受け取るか指定した住所へ送付してもらう仕組みで、電子的な証明書がオンラインで交付されるものではないとされています(法務省)。

観点

登記情報提供サービス

登記事項証明書(オンライン請求)

運営

一般財団法人民事法務協会

法務局(登記・供託オンライン申請システム)

形

PDFを画面で確認・保存

紙の証明書を窓口受取または郵送

証明力

証明文・公印なし

証明文付き

主な用途

自分で内容を確かめる

提出書類として使う

JR新大阪駅外観
JR新大阪駅外観

登記情報提供サービスの料金と利用時間

不動産の登記情報の利用料金は、令和8年(2026年)4月1日からの額で次のとおりです(民事法務協会・法務省)。料金は国に納める登記手数料と協会手数料10円の合算です。

情報の種類

内容

料金

全部事項

登記記録の全部(コンピュータ化後の閉鎖登記簿も可)

330円

所有者事項

所有者の氏名・住所・持分

140円

地図

地図または地図に準ずる図面(公図)

360円

図面

土地所在図/地積測量図、地役権図面、建物図面/各階平面図

360円

利用時間は平日が午前8時30分から午後11時、土日祝日が午前8時30分から午後6時で、年末年始(12月29日〜1月3日)は休業です。地図・図面情報だけは平日の午前8時30分から午後9時までに限られます(民事法務協会)。

注意点として、請求した事項の記録がない場合も、その旨の情報が表示されて課金されます(民事法務協会)。地番を取り違えて請求すると、何も出ないのに料金だけかかるということです。

一時利用と登録利用の選び方

利用方法は大きく、事前の申込手続をしない一時利用と、利用者登録をして使う登録利用(個人・法人・公共機関)に分かれます(民事法務協会)。

一時利用は、あらかじめ申込手続をせず、クレジットカードの即時決済ですぐ使える方法です。メールで届くログインURLは登録受付から30分以内にクリックする必要があり、登記情報を請求できるのは初回ログインを行った当日中のみです(民事法務協会)。翌日以降のログインはマイページの確認に限られます。

個人の登録利用は、登録費用300円を払って利用者IDとパスワードを取得する方法で、決済はクレジットカードです(民事法務協会・法務省)。法人の登録利用は登録費用740円で、銀行口座からの引き落としになります。

編集部の整理では、物件を1〜2件だけ調べる方は一時利用、相続で複数の土地・建物を継続的に追う方や、売却活動中に何度も見る方は個人登録が向きます。一時利用ではEMV3-Dセキュア(本人認証)の利用登録をしたクレジットカードが必要とされています(民事法務協会)。

File:Shin-Ōsaka Station.jpg
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場面別の使い分け—内見前・相続・売却前

「見るだけで足りるか、証明書が要るか」を、北大阪で起きやすい3つの場面に当てはめると次のようになります。編集部の判断軸として提示します。

場面

まず見る情報

証明書が要るか

内見前に所有者と抵当権を確認

全部事項(330円)

不要。自分の確認用

相続で実家の登記を調べる

所有者事項(140円)→全部事項

相続登記の申請時に必要になる場合あり

売却前に名義と権利関係を整理

全部事項+図面

仲介会社・買主側から求められる場合あり

内見前の確認。 所有者事項には所有者の氏名・住所・持分しか載りません(民事法務協会)。抵当権などの担保の記録まで見るには全部事項を請求します。売主が登記上の所有者と一致しているか、抵当権が残っているかは、建物状況調査(インスペクション)と同じく早い段階で押さえたい項目です。

相続で実家を調べる。 親名義の実家がどこまで登記されているかは、まず所有者事項で名義を確かめ、次に全部事項で権利関係を見る順が費用面で無駄がありません。建物に登記が無い場合は表題登記から始める必要があるため、実家の建物が未登記だった場合の手順も併せてご確認ください。相続登記そのものは北大阪の管轄法務局へ申請します。

売却前の整理。 親名義のままでは売れないため、名義と住所の登記が現状と合っているかを全部事項で確認します。土地の形や道路との関係は図面と地図で見当をつけられますが、接道の可否の最終判断は大阪市の窓口や専門家への確認が必要です。

住所では引けない—地番・家屋番号の調べ方

登記情報提供サービスで不動産を請求するときは、「住所(住居表示)」ではなく「地番」または「家屋番号」で特定する必要があります(民事法務協会)。郵便物に書く住所と登記上の地番は別の体系で、十三や新大阪の市街地でも住所から地番は推測できません。

淀川区・東淀川区の不動産登記を管轄するのは大阪法務局北出張所です(大阪法務局)。北出張所は大阪市北区西天満1丁目11番4号の大阪法務局北分庁舎にあり、電話06-6363-1981の自動音声案内では1番が「地番・家屋番号の照会」に割り当てられています。地番・家屋番号の照会と証明書発行の問い合わせには専用番号(06-6363-1982、06-6363-1983)もあります(大阪法務局)。

窓口対応時間は平日午前9時から午後5時です(大阪法務局)。地番が分かれば、その後の請求は自宅で完結します。北出張所は淀川区内ではなく北区にある点にご注意ください。

登記事項証明書が要るときのオンライン請求

証明書が必要になったら、法務省の登記・供託オンライン申請システムから交付を請求します。方法は、Webブラウザで入力する「かんたん登記・供託申請」と、パソコンにインストールする「申請用総合ソフト」の2つです(法務省)。利用には申請者情報の登録が必要で、1年間利用がないと自動的に削除されます。

手数料は令和7年(2025年)4月1日からの額で、登記事項証明書が書面請求600円、オンライン請求・送付520円、オンライン請求・窓口交付490円です(法務省)。送付の手数料には普通郵便料金が含まれます。地図等の証明書は書面請求500円、オンライン請求・送付470円、窓口交付440円です。

証明日には時刻のルールがあります。平日午後5時15分までに請求情報が届けば請求日が証明日、それ以降や休日に届いた場合は翌業務日が証明日になります(法務省)。窓口受取では、受け取る方の氏名・住所、申請番号、請求通数を申告します。

まとめ

本記事のポイントを整理します。

  • 登記情報提供サービスは民事法務協会が運営する有料サービスで、所有者事項140円・全部事項330円で登記情報をPDFで確認できるが、証明文・公印は付かない
  • 一時利用は申込手続なしでクレジットカード決済、請求は初回ログインの当日中のみ。継続的に調べるなら個人登録(登録費用300円)
  • 内見前の所有者・抵当権確認や相続の下調べは「見るだけ」で足り、提出書類が要る場面だけ登記事項証明書をオンライン請求する(窓口交付490円・送付520円)
  • 請求は住所ではなく地番・家屋番号で行う。淀川区・東淀川区の管轄は大阪法務局北出張所で、電話案内で地番を照会できる
  • 記録がない場合も課金されるため、地番の確認を先に済ませてから請求する

料金や利用条件は改定されることがあるため、最新の情報は登記情報提供サービスと法務省の公式ページで、相続や売買の個別の判断は司法書士・宅地建物取引士など専門家にご確認ください。

※本記事の情報は2026年9月時点の公式公表資料に基づきます。

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出典

  • 登記情報提供サービス「登記情報提供サービスとは」(2026年9月17日閲覧)
  • 登記情報提供サービス「初めての方はこちら」(2026年9月17日閲覧)
  • 登記情報提供サービス「一時利用の詳細」(2026年9月17日閲覧)
  • 法務省「登記手数料について」(2026年9月17日閲覧)
  • 法務省「オンラインによる登記事項証明書等の交付請求(不動産登記関係)について」(2026年9月17日閲覧)
  • 大阪法務局「北出張所」(2026年9月17日閲覧)