新築住宅の住宅ローン減税は、2024年1月以降に建築確認を受けた住宅では省エネ基準への適合が前提です(国土交通省)。省エネ性能が「あれば有利」だった時代は終わり、「なければ対象外」に変わりました。本記事は国税庁と国土交通省の公式情報をもとに、2022年から現在までの要件の変わり方を入居年ごとに整理したものです。

新大阪駅周辺のタワー型・コンパクト型の新築マンション、淡路駅の高架化にあわせて更新が進む沿線の新築戸建て。北大阪で「新築」を検討する方にとって、この制度は物件の性能表示の読み方そのものに関わります。

結論—「省エネは加点」から「省エネが前提」へ

先に骨子をまとめます。住宅ローン減税は年末のローン残高に控除率0.7%を掛けた額が所得税などから控除される制度で、控除率は全期間一律です(国税庁)。変わり続けているのは、控除の対象となる借入限度額と、そもそも対象になるかどうかの線引きです。

新築住宅の線引きは、およそ2年刻みで動いてきました。2022〜2023年入居では省エネ性能のない「その他の住宅」でも対象。2024〜2025年入居では省エネ基準適合が原則要件に。2026年入居では、その省エネ基準適合住宅の限度額自体が一段縮小しています。つまり、「合格ライン」が2年ごとに1段ずつ上がる階段になっています。

数値はすべて「何年に入居したか」で決まります。段ごとに見ていきます。

不動産売買契約書と重要事項説明書
不動産売買契約書と重要事項説明書

2022〜2023年入居—「その他の住宅」でも3,000万円

2022年(令和4年)・2023年(令和5年)に入居した新築住宅では、省エネ基準に適合しない「その他の住宅」でも借入限度額3,000万円・控除期間13年が認められていました(国税庁)。

このときの環境性能別の借入限度額は、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅が5,000万円、ZEH水準省エネ住宅が4,500万円、省エネ基準適合住宅が4,000万円です(国税庁)。性能が高いほど限度額が増える「加点方式」であり、省エネ性能がなくても土俵には乗れる設計でした。

この時点では省エネ基準への適合は法律上の義務ではなく、税制が一足先に誘導を始めた段階でした。

2024〜2025年入居—省エネ基準が合格ラインに

2024年(令和6年)1月が最初の大きな断層です。国土交通省は「2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅について、住宅ローン減税を受けるには、省エネ基準に適合する必要があります」と明示しました。「その他の住宅」の借入限度額は原則0円、つまり対象外です(国税庁・国土交通省)。

経過措置はあります。2023年(令和5年)12月31日までに建築確認を受けたもの、または2024年(令和6年)6月30日までに建築されたものは、その他の住宅でも借入限度額2,000万円・控除期間10年で対象になります(国税庁)。

2024〜2025年入居の借入限度額は、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅4,500万円、ZEH水準省エネ住宅3,500万円、省エネ基準適合住宅3,000万円で、いずれも控除期間13年です(国税庁)。あわせてこの年から、19歳未満の扶養親族がいる世帯や夫婦のいずれかが40歳未満の世帯(子育て世帯・若者夫婦世帯)には上乗せが設けられ、それぞれ5,000万円・4,500万円・4,000万円まで限度額が引き上げられました(国税庁)。

なお、税制の一歩あとを法律が追いかけています。2025年4月には改正建築物省エネ法が施行され、原則すべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務付けられました(国土交通省)。減税の要件化は、この義務化の1年あまり前に先行して始まっていたことになります。

JR新大阪駅外観
JR新大阪駅外観

2026〜2027年入居—省エネ基準「適合しただけ」では一段減

現在の段です。令和8年度税制改正で制度は2030年(令和12年)12月31日入居分まで延長されましたが、新築の合格ラインはさらに動きました(国土交通省)。

2026年・2027年に入居する新築住宅の借入限度額は、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅4,500万円(子育て世帯・若者夫婦世帯5,000万円)、ZEH水準省エネ住宅3,500万円(同4,500万円)に対し、省エネ基準適合住宅は2,000万円(同3,000万円)に縮小しています。控除期間はいずれも13年です(国土交通省Q&A・2026年7月更新)。

さらに先も予告されています。省エネ基準適合住宅の新築は2028年以降の入居では支援対象外となり、2027年末までに建築確認を受けた住宅などに限り借入限度額2,000万円・控除期間10年の経過措置が残ります(国土交通省Q&A)。2028年以降の入居では、土砂災害特別警戒区域などの災害レッドゾーンに立地する新築住宅も対象外です(国土交通省)。

編集部の独自整理—同じ形の「崖」が4年周期で繰り返す

ここまでの動きを、本記事の独自整理として1枚にまとめます。新築住宅の借入限度額の推移です(出典:国税庁・国土交通省、2026年8月時点)。

入居年

認定住宅

ZEH水準

省エネ基準適合

その他の住宅

2022〜2023年

5,000万円

4,500万円

4,000万円

3,000万円

2024〜2025年

4,500万円

3,500万円

3,000万円

0円(経過措置2,000万円)

2026〜2027年

4,500万円

3,500万円

2,000万円

対象外

2028年以降

—

—

対象外(経過措置2,000万円)

対象外

※2024年以降の認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合には子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せあり。2028年以降の認定住宅・ZEH水準の限度額は空欄とした—国土交通省の最新情報をご確認ください。

この表を縦に読むと、構造が見えてきます。「その他の住宅」が2024年にたどった道(限度額縮小→経過措置つきで対象外)を、省エネ基準適合住宅が4年遅れでそっくりなぞっているのです。経過措置の形まで同じで、「前年末までの建築確認」または「翌年6月30日までの建築」で2,000万円・10年という条件が2024年と2028年で繰り返されます。

つまり、この制度で「最低限」を狙う買い方は構造的に不利になり続けます。2026年に新築を検討するなら、実質的な合格ラインはすでにZEH水準(断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上)に寄っている、というのが編集部の読みです。なお、ZEH水準といっても太陽光パネルの設置は要件ではありません(国土交通省)。

北大阪で新築を選ぶときの確認点

制度を北大阪の実際の物件探しに引きつけると、確認点は3つです。

1. 性能の証明書類を契約前に確認する。 省エネ性能は自己申告では通りません。建設住宅性能評価書の写し、住宅省エネルギー性能証明書、または2025年4月1日以降に建築確認を受けたことが分かる検査済証の写しのいずれかを、入居翌年の確定申告で提出します(国土交通省Q&A)。分譲住宅では売主等が証明を申請することが想定されているため(国土交通省Q&A)、新大阪や西中島の新築分譲では、どの書類が付くのかを契約前に確かめておくと確実です。

2. コンパクト物件は床面積の線を見る。 2026年入居分からは床面積要件が原則40㎡以上に緩和されましたが、合計所得金額が1,000万円を超える場合と、子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せを受ける場合は50㎡以上が必要です(国土交通省Q&A)。つまり40㎡台の物件では上乗せは使えません。マンションの床面積は専有部分の内法(うちのり)面積で判断されるため(国土交通省Q&A)、新大阪駅周辺に多い40㎡台のコンパクトマンションでは、この線がちょうど効いてきます。

3. 入居年と引き渡し時期をそろえる。 限度額は入居した年で決まり、引き渡しから6ヶ月以内に入居することが要件です(国土交通省Q&A)。年をまたぐ引き渡しでは適用される段が変わる可能性があるため、契約時にスケジュールを確認しておきます。購入時には不動産取得税などの初期コストも並行して発生します。

自宅としての購入判断そのものは新大阪で自宅用マンションを買う場合の考え方で、制度の基本と中古住宅を含む全体像は北大阪の住宅ローン控除で整理しています。中古住宅の要件は新築とは別の体系です。

まとめ

本記事のポイントを整理します。

  • 2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準に適合しないと住宅ローン減税の対象外(国土交通省)
  • 借入限度額は入居年で決まり、2022年→2024年→2026年と2年ごとに水準が切り下がってきた
  • 2026〜2027年入居では省エネ基準適合住宅が2,000万円に縮小し、2028年以降の入居では対象外の予定
  • 子育て世帯・若者夫婦世帯には上乗せがあるが、床面積50㎡以上が条件

制度の金額と期限は税制改正のたびに動く領域です。契約前に国税庁・国土交通省の最新情報を確認し、個別の適用可否は所轄の税務署や税理士にご確認ください。

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出典

  • 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」(2026年8月30日確認)
  • 国土交通省「住宅ローン減税」(2026年8月30日確認)
  • 国土交通省「住宅ローン減税 省エネ要件化等についての説明会資料」2023年6月(2026年8月30日確認)
  • 国土交通省「住宅ローン減税(令和8年度税制改正後)Q&A」2026年7月更新(2026年8月30日確認)

※本記事の情報は2026年8月時点のものです。