犬を飼う人が大阪市へ引越したとき、住民票や電気・ガスの手続きと並んで忘れやすいのが、犬の登録・狂犬病予防注射・鑑札の装着という飼い主の法的義務です。犬の登録は生涯1回、狂犬病予防注射は毎年1回が原則で、他市町村から引越してきた場合は登録先を大阪市へ移す変更の届出が要ります。本記事は厚生労働省・大阪市・環境省の公式情報をもとに、引越し後にやるべき手続きを整理しました。
これらは飼い主のマナーではなく、狂犬病予防法という法律で定められた義務です。厚生労働省は、犬の飼い主には「犬の登録」「狂犬病予防注射」「鑑札と注射済票の装着」の3つの義務があり、それぞれ狂犬病予防法第4条・第5条が根拠だと示しています。日本国内では長く狂犬病の発生がない状態が続いていますが、この予防のしくみを支えているのが登録と毎年の注射です。
飼い主に課された3つの義務
大阪市に住む犬の飼い主がまず押さえるべきは、次の3点です。いずれも法律上の義務であり、引越しの前後で途切れさせないことが大切です。
- 犬の登録(生涯1回):生後91日以上の犬が対象。取得した日から30日以内に登録します。生後90日以内に取得した場合は、生後90日を過ぎてから30日以内が期限です(大阪市「犬の登録」)。
- 狂犬病予防注射(毎年1回):生後91日以上の飼い犬に、毎年注射を受けさせます。実施時期は原則として毎年4月から6月です(厚生労働省)。
- 鑑札と注射済票の装着:登録すると鑑札が、注射を受けると注射済票が交付されます。これらは犬に付けておく義務があり、迷子になったときの返還にも役立ちます(厚生労働省)。
登録は一度すれば生涯有効ですが、注射は毎年必要という点が混同されがちです。登録=最初の1回、注射=毎年、と分けて覚えておくと手続きの抜けを防げます。

他市町村から引越してきたときの手続き
すでに前の市町村で登録済みの犬を連れて大阪市に転入した場合は、あらためて新規登録をやり直すのではなく、登録先を大阪市へ移す変更の届出を行います。住んでいる区の保健福祉センター生活環境業務担当に届け出て、前の市町村で受け取った鑑札を大阪市の鑑札に交換する流れです(大阪市「愛犬の登録と狂犬病予防注射」)。
引越し後の動き方は、犬の登録形態によって2通りに分かれます。本記事の整理では、まずマイクロチップの有無を確認するのが近道です。
- 鑑札で登録している犬:大阪市の保健福祉センターへ出向いて登録事項の変更を届け出ます。
- マイクロチップで登録している犬:国の指定登録機関(オンライン)で飼い主の住所変更を届け出ます。市の窓口での手続きは要りません。
さらに、転入した時期が注射の時期と重なるかどうかも確認しておくと安心です。4月から6月に大阪市へ引越してきた場合は、その年の狂犬病予防注射がまだなら早めに済ませ、注射済票の交付を受けます。
マイクロチップ装着犬の特例
2022年(令和4年)6月1日に、犬と猫のマイクロチップ情報登録の制度が始まりました。環境省の指定登録機関へ情報を登録するしくみで、マイクロチップが狂犬病予防法の鑑札とみなされる特例があります(環境省)。
大阪市はこの特例に対応しており、令和4年11月1日以降に国の指定登録機関へ登録した犬は、大阪市の保健福祉センターでの登録申請が不要です(大阪市)。つまり、マイクロチップ登録済みの犬を連れて大阪市へ引越した場合、犬の登録に関する手続きは指定登録機関への住所変更の届出で完結します。ただし狂犬病予防注射は毎年必要で、こちらは特例の対象外です。注射を受けたら注射済票の交付を受け、装着します。
なお、マイクロチップの装着自体は、ブリーダーやペットショップから2022年6月1日以降に購入した犬では義務ですが、それ以前から飼っている犬では努力義務です。すでに飼っている犬にマイクロチップを入れるかどうかは、かかりつけの動物病院に相談すると判断しやすくなります。

大阪市ならではの注意点—集合注射会場の終了
大阪市では毎年4月に、区ごとの会場で狂犬病予防注射をまとめて行う集合注射が実施されてきました。ここで見落としやすいのが、大阪市が設置する集合注射会場での注射は令和8年度(2026年度)をもって終了するという変更です(大阪市「狂犬病予防注射」)。
令和8年度の集合注射は4月に行われますが、令和9年度(2027年度)以降は、最寄りの動物病院や大阪市の委託動物病院での接種に切り替わります。委託動物病院では通年で注射を受けられるため、引越しのタイミングで動物病院を新たに探す人は、狂犬病予防注射に対応しているかどうかもあわせて確認しておくと、翌年以降の手続きがスムーズです。淀川区・東淀川区を含む新大阪周辺で住まいを移す予定の方は、住まい探しの段階でかかりつけ候補の動物病院を見ておくと、引越し後の負担が軽くなります。
届出先と手数料の確認方法
犬に関する大阪市の窓口は、住んでいる区の保健福祉センター生活環境業務担当です。登録・登録事項の変更・注射済票の交付といった手続きを扱います。登録や注射済票の交付は、大阪市の委託動物病院でも一部対応しています(大阪市)。
登録手数料や注射済票の交付手数料などの金額は、年度によって改定されることがあります。最新の金額は大阪市の公式ページで確認するのが確実です。引越しに伴う区役所での住民票の手続きとあわせて、保健福祉センターの場所と受付時間を調べておくと一度に動けます。区役所での各種窓口の回り方は「北大阪の区役所ガイド—淀川区と東淀川区の窓口を用途別に整理」も参考になります。
まとめ
犬を連れて大阪市へ引越したときの手続きのポイントを整理します。
- 飼い主の義務は犬の登録(生涯1回)・狂犬病予防注射(毎年1回)・鑑札と注射済票の装着の3つで、いずれも狂犬病予防法に基づきます。
- 他市町村で登録済みの犬は、新規登録ではなく大阪市への登録事項の変更届を行い、鑑札を交換します。
- 令和4年11月1日以降にマイクロチップを指定登録機関へ登録した犬は、市への登録申請が不要になる特例があります。ただし狂犬病予防注射は毎年必要です。
- 大阪市の集合注射会場は令和8年度(2026年度)で終了し、以降は動物病院での接種に切り替わります。
- 手続きの窓口は住んでいる区の保健福祉センター生活環境業務担当です。手数料の最新額は大阪市の公式ページで確認してください。
※本記事の情報は2026年7月時点の公式情報に基づきます。手続きや手数料の詳細は、大阪市および環境省の公式ページで最新の内容をご確認ください。
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