下新庄駅と上新庄駅は、いずれも淡路駅の 1 つ隣にある東淀川区の隣接駅ですが、走る路線も停車種別も異なります。1K の家賃相場はほぼ同額(下新庄 5.75 万円・上新庄 5.79 万円、LIFULL HOME'S 2026-07-18 時点)ながら、ワンルームは下新庄が約 2 万円安く、1LDK は上新庄が安いという逆転が起きています。本記事は両駅の家賃・停車種別・乗降規模を公式データで並べ、間取りと通勤先で分かれる選び方を整理します。
隣り合う 2 駅は「どちらも淡路の近く、家賃も似たようなもの」とひとくくりにされがちです。しかし数字を間取りごとに割ると、安い駅は 1 つに定まらず、途中で入れ替わります。
間取り別の家賃—1Kを境に安い駅が入れ替わる
LIFULL HOME'S(2026-07-18 時点、いずれも駅徒歩 10 分圏の平均賃料)で両駅の間取り別相場を並べると、次のようになります。
間取り | 下新庄(千里線) | 上新庄(京都線) | 安い駅 |
|---|---|---|---|
ワンルーム | 3.35 万円 | 5.34 万円 | 下新庄(約 1.99 万円安) |
1K | 5.75 万円 | 5.79 万円 | ほぼ同額(0.04 万円差) |
1DK | 5.47 万円 | 5.17 万円 | 上新庄(0.30 万円安) |
1LDK | 9.88 万円 | 8.71 万円 | 上新庄(1.17 万円安) |
2LDK | 15.13 万円 | 13.35 万円 | 上新庄(1.78 万円安) |
このほか下新庄は 2K 7.24 万円・3LDK 18.18 万円、上新庄は 2DK 5.59 万円の相場が出ています(LIFULL HOME'S)。両駅にデータが揃う間取りで比べると、安い駅は 1K を境にきれいに入れ替わります。単身向けで最も小さいワンルームは下新庄が約 2 万円安い一方、1DK・1LDK・2LDK は上新庄が安く、1K だけがほぼ同額で拮抗します。
本記事の独自整理では、この入れ替わりの境界はおおむね「1K 前後」に引けます。ワンルームのような最小帯を狙うなら下新庄、少し広い 1DK 以上を探すなら上新庄、という具合に、同じ 2 駅でも探す間取りによって得な駅が反転します。「隣接駅だから家賃も同じ」という前提で片方だけを見ていると、この差を取りこぼします。下新庄側の家賃構造は 下新庄の家賃相場—ワンルーム3.35万円が示す最安の構造 で詳しく扱っています。

停車種別と路線—上新庄は準急、下新庄は堺筋線直通
家賃が拮抗する 2 駅を分ける最大の違いは、走る路線と速達列車の停まり方です。
上新庄は阪急京都線の駅で、準急・快速・普通が停車します。日中の最速種別である特急・準特急・通勤特急・快速特急は通過し、これらは隣の淡路駅に停まります(Wikipedia)。準急・快速は途中の通過駅がある分だけ各駅停車より速く、大阪梅田方面へ乗り換えなしで抜けられます。
下新庄は阪急千里線の駅で、千里線内は速達運転がなく各駅停車のみが停まります。ただし千里線は 1969 年から地下鉄堺筋線と相互直通運転しており、下新庄から天下茶屋・堺筋本町・北浜方面へ乗り換えなしで抜けられます(阪急電鉄)。北浜・堺筋本町は梅田・難波を経由すると遠回りになる「東の都心」で、この方面への直通は上新庄側の京都線では得られない経路です。千里線の使い方は 「東の都心」北浜へ直通—阪急千里線だけの通勤経路 で整理しています。
両駅とも淡路まで 1 駅で、淡路で相互に乗り継げます。梅田方面の速さを取るなら上新庄の準急、北浜・堺筋本町方面の直通を取るなら下新庄の千里線、という住み分けになります。所要時間は運行種別・時間帯で変わるため、阪急電鉄の公式時刻表でご確認ください。
乗降人員は上新庄が下新庄の約5.6倍
隣接駅でありながら、駅の使われ方の規模は大きく違います。2025 年の 1 日平均乗降人員は次のとおりです(Wikipedia 各駅記事)。
駅 | 路線 | 乗降人員(2025 年) |
|---|---|---|
上新庄 | 阪急京都線 | 44,395 人/日 |
下新庄 | 阪急千里線 | 7,884 人/日 |
上新庄は東淀川区で最も乗降人員が多い駅で、特急停車駅の淡路(38,939 人/日)をも上回ります。対する下新庄は 7,884 人/日で、単純比較で上新庄は下新庄の約 5.6 倍にあたります(本記事の独自算出)。この差は、上新庄駅前に日常型の商業とにぎわいが集まる「生活の駅」であるのに対し、下新庄が商業集積より住宅地としての性格が強い静かなエリアであることを反映しています。
規模差は家賃の構造とも対応します。乗降規模の大きい上新庄には単身から小家族まで幅広い供給があり、ワンルームのような最小帯の在庫が薄い分だけ平均が上ぶれます。一方の下新庄は住宅地中心で、築年の古い小型物件を含むワンルーム帯の相場が沿線最安クラスに沈みます。前節で見た「ワンルームは下新庄、1DK 以上は上新庄」という反転は、この駅の性格の違いと地続きです。

どちらを選ぶか—通勤先と間取りで決まる
両駅は家賃が拮抗するため、決め手は「どこへ通うか」と「どの間取りを借りるか」に移ります。本記事の整理では、次の判断軸で分かれます。
- 大阪梅田方面へ速く通いたい: 上新庄。準急・快速が停まり、京都線で梅田へ乗り換えなし。
- 北浜・堺筋本町・船場のオフィス街へ通う: 下新庄。千里線・堺筋線の直通で、梅田経由では遠回りの方面へ直行できる。
- 家賃を最小限に抑えたい・ワンルーム狙い: 下新庄。ワンルーム 3.35 万円は上新庄より約 2 万円安い。
- 1DK〜1LDK で少し広めを探す: 上新庄。1DK・1LDK・2LDK は上新庄が安く出る。
- 駅前で日常を完結させ、にぎわいも欲しい: 上新庄。乗降規模が大きく、駅前に商業が集まる。
- 静かな住環境を優先する: 下新庄。住宅地中心で落ち着いた街並み。
いずれの駅も淡路まで 1 駅のため、淡路で特急や他路線に乗り継ぐ移動は両駅で大きく変わりません。相場はあくまで駅徒歩 10 分圏の平均で、個別物件は築年・専有面積・設備で動きます。契約前には、同じ予算でも間取りをまたいで両駅を横断し、間取り単位で比較すると平均値との差が見えます。平均値の扱い方は 家賃相場「平均値の罠」を避ける調べ方 を参照してください。
高架化の有無という違い
もう 1 つの実際的な違いが、連続立体交差事業(高架化)の対象かどうかです。
上新庄駅は 1975 年に国道 479 号との立体交差化に伴って先行して高架化されており、現在の連続立体交差事業の対象外です(Wikipedia)。駅周辺で駅構造を作り替える大規模工事は当面予定されていません。
下新庄駅は、大阪市が施行主体となる連続立体交差事業の高架化対象 4 駅(崇禅寺・淡路・柴島・下新庄)の 1 つです。淡路方面は 2024 年 11 月に仮線へ切り替わり、北千里方面も順次仮線化が進んでおり、2028 年度末の高架切替、2031 年度の事業完了が予定されています(大阪市)。工事過渡期の音・振動・通行制限を避けたい場合は上新庄、高架化後の街並み更新を中長期で見込む場合は下新庄、という選び方になります。事業の進捗は 淡路駅高架化はいつ完成—最新の進捗と街への影響 で扱っています。
まとめ
下新庄と上新庄の比較のポイントを整理します。
- いずれも淡路駅の 1 つ隣にある東淀川区の隣接駅だが、下新庄は阪急千里線、上新庄は阪急京都線と別路線
- 1K 相場は下新庄 5.75 万円・上新庄 5.79 万円とほぼ同額(LIFULL HOME'S 2026-07-18 時点)
- ワンルームは下新庄が約 2 万円安く、1DK 以上は上新庄が安い。安い駅は 1K を境に入れ替わる
- 上新庄は準急・快速停車で梅田方面が速い。下新庄は堺筋線直通で北浜・堺筋本町方面に強い
- 乗降人員は上新庄 44,395 人/日で、下新庄 7,884 人/日の約 5.6 倍(2025 年)
- 上新庄は高架化済みで工事の影響なし、下新庄は高架化対象で 2028 年度末に切替予定
家賃はほぼ並んでも、速い梅田か直通の東の都心か、最小のワンルームか少し広い間取りか——下新庄と上新庄は、通勤先と間取りという 2 つの軸で選ぶ隣接駅です。
※ 本記事の家賃相場は LIFULL HOME'S の 2026 年 7 月時点のデータに基づきます。相場は時期により変動するため、実際の空室・物件は LIFULL HOME'S・SUUMO 等でご確認ください。

