引越しに伴う役所手続のうち、転出届はマイナポータルからスマホで提出でき、旧住所の窓口へ行く必要は原則ありません。一方で転入届は今もオンラインでは出せず、新住所の区役所窓口が必須です。本記事はデジタル庁と大阪市の公式情報をもとに、「オンラインで済む手続」と「窓口が要る手続」の仕分けを整理したものです。
対象は、市外から淀川区・東淀川区へ引越してくる方と、大阪市から市外へ出る方です。新大阪や西中島南方の単身向け物件へ転勤で移る場合も、十三や東淀川区で家族の住み替えをする場合も、仕分けの構造は同じです。
仕分けの全体像—オンライン化されたのは「出る側」
最初に結論の表を示します。本記事の独自整理として、引越しの届出を「オンラインで済む」「窓口が要る」で仕分けしたものです。
手続 | オンライン | 補足 |
|---|---|---|
転出届(大阪市から市外へ) | ○ 提出できる | 旧住所の窓口への来庁は原則不要 |
転入届(市外から淀川区・東淀川区へ) | ✕ 窓口のみ | 引越し後14日以内、郵送も不可 |
転入届のための来庁予定の連絡 | ○ できる | 持ち物と手続を事前に確認できる |
国民健康保険などの住所関連手続 | 別途必要 | 転出時は資格確認書の返却など |
構造を一言でいえば、オンライン化されたのは「出る側」の手続だけです。転出届はスマホで完結しますが、受け入れる側の転入届は対面のまま残っています。「引越しがオンラインで完結する」と聞いて窓口ゼロを想像すると、転入の14日期限を踏み外しかねません。ここが本記事で最初に押さえたい仕分け線です。

引越し手続オンラインサービスの中身
デジタル庁が案内する「引越し手続オンラインサービス」でできるのは、「転出届の提出」と「転入届提出のための来庁予定の連絡」の2つです(デジタル庁)。マイナンバーカードとスマートフォンがあればマイナポータルから手続でき、窓口の順番待ちなしに24時間申請できます。
大阪市では令和5年(2023年)2月6日から、マイナンバーカードを利用してオンラインの転出届・転入(転居)予約ができるようになりました(大阪市)。それ以前の転出届は窓口か郵送が基本で、なお現在も郵送による転出届は残っています。マイナンバーカードを持たない方や、すでに新住所へ移ってしまった方の選択肢です。
ひとつ知っておきたいのは、申請の受付と処理は別だということです。デジタル庁は「転出届の処理には一定の時間を要し、また、自治体の開庁時間に処理が行われますので、申請日から余裕を持った来庁予定日を選択してください」と案内しています。深夜に申請できても、処理が進むのは役所が開いている時間帯です。
利用できる条件—署名用電子証明書がカギ
申請にはマイナンバーカード、またはスマートフォン用電子証明書が必要です。手続の途中で署名用電子証明書による署名を付与して申請する仕組みで、券面事項入力補助用のパスワード(数字4桁)を求められる場合もあります(デジタル庁)。
一方、次のような場合はマイナポータルでは申請できず、窓口での手続になります(デジタル庁)。
- マイナンバーカードの氏名・住所を最新の情報に更新していない
- 引越す方の全員がマイナンバーカードを持っていない
- 引越し先の自治体が対応していない、または海外への引越し
- 住民票の住所は同じだが世帯が異なる方の申請
なお、カードのパスワードは読み取り時に3回、署名時に5回間違えるとロックされます。引越し準備の荷造りの合間に思い出せないまま試すより、先にパスワードの控えを確かめておくほうが安全です。

淀川区・東淀川区へ引越す段取り
市外から淀川区・東淀川区へ移る場合の時系列は、次の3段階になります。
1. 引越し前:マイナポータルで転出届+来庁予定の連絡。 引越す日と現住所、引越す方の情報(世帯主・続柄など)を入力し、署名を付与して申請します。あわせて転入先への来庁予定を連絡しておくと、窓口で必要な手続や持ち物をマイナポータル上で事前に確認できます(デジタル庁)。
2. 引越し後14日以内:新住所の区役所窓口で転入届。 大阪市では、住む区の区役所窓口サービス担当課または区役所出張所に届け出ます。引越し前の届出は受付できず、郵送による届出もできません(大阪市)。
3. 窓口ではマイナンバーカードを持参。 マイナポータルで転出手続をした場合、紙の転出証明書の提出は不要になります。ただし「前住所地で転出予定日とした日から30日を経過した日と新住所地に転入した日から14日を経過した日のいずれか早い日までに手続をしなかった場合は、転出証明書の提出が必要になります」(大阪市)。期限を過ぎると紙の手続が復活する、という境界線です。
窓口での持ち物の詳細や区役所の場所は淀川区・東淀川区の転入手続きガイドで整理しています。また、転入届を出してもマイナンバーカード券面の住所変更は別の手続です。こちらはマイナンバーカードの住所変更をご覧ください。
大阪市から市外へ出る場合の注意
淀川区・東淀川区から市外へ転出する側にも、オンラインで済まない手続が残ります。国民健康保険の資格確認書を持っている方は、転出前の区の区役所保険年金業務担当への資格確認書の返却が必要です(大阪市)。
窓口で転出届を出す場合の持ち物は、本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート等)などで、任意代理人が届け出るときは委任状が要ります。すでに引越しを済ませている場合は、引越しをした日から14日以内に届け出る決まりで、郵送での手続も選べます(大阪市)。
海外への引越しは事情が異なります。マイナポータルの申請対象外であり、海外転出の場合は転出証明書も発行されません(大阪市)。
単身とファミリーで変わる判断軸
公式情報を踏まえたうえで、編集部として判断軸を2つ挙げます。
単身の引越しは「日程の確定」が軸。 新大阪や西中島南方の1Kへ単身で移るなら、必要なのはカード1枚とスマホだけで、オンライン完結との相性は良好です。効いてくるのは転出予定日で、上で見たとおり転出予定日から30日を過ぎると転出証明書が必要になるため、引越し日が固まってから申請する段取りが安全です。
家族の引越しは「全員のカード状況」が軸。 引越す方の全員がマイナンバーカードを持っていない場合はオンライン申請自体ができません。また、どちらの場合も転入届だけは窓口必須なので、平日に区役所へ行ける日を先に押さえ、来庁予定の連絡で持ち物を確認しておくと、窓口へ行く回数を最小限にできます。
ただし、世帯の構成や在留資格などによって必要な手続は変わります。個別の判定は引越し先の区役所へご確認ください。
まとめ
本記事のポイントを整理します。
- 転出届はマイナポータルからオンラインで提出でき、旧住所の窓口への来庁は原則不要
- 転入届はオンラインでは出せず、引越し後14日以内に新住所の区役所窓口へ
- マイナポータル経由なら転出証明書は原則不要。ただし期限を過ぎると必要になる
- 申請は24時間できるが、処理は自治体の開庁時間に行われる
- 国民健康保険の資格確認書の返却など、オンラインの外に残る手続もある
制度の内容は変わることがあります。最新の情報はマイナポータルおよび大阪市の公式ページでご確認ください。
あわせて読みたい
出典
- デジタル庁ニュース「【24時間申請可能】役所に行かずに転出届が出せる!『引越し手続オンラインサービス』」(2026年8月30日確認)
- デジタル庁ニュース「マイナポータルから引越し手続をする方法」(2026年8月30日確認)
- 大阪市「オンラインによる転出届・転入(転居)予約」(2026年8月30日確認)
- 大阪市「転入届(他市区町村から引越ししてきたとき)」(2026年8月30日確認)
- 大阪市「転出届(他市町村へ引越すとき)」(2026年8月30日確認)
※ 本記事の情報は2026年8月時点のものです。



